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プラチナゴールドの光を放ちながら、戦う姿を見ていた。息を切らしながら、命を燃やしながら、前だけを見据えているそれを、シャドウは理解できない。おそらくこれは自分自身だというのに。

「何かを守れた気にでも、なっていたのか?」

僅かに残る記憶の中で戦い続ける自身に、シャドウは吐き捨てる。失われていく力、擦れていく意識。高く高く昇っていくもう一つの光。

その瞬間、自分は生存を放棄したのだ。その事実だけが、シャドウには理解しがたい。結果的に消滅しなかったものの、そんな戦い方は敗北でしかない。あの時自分は、他の誰にでもない、自分自身に負けることを選んだのだ。

「諦めて、捨てただけだ」

シャドウはその記憶から目を背ける。自分は消えなかった。そしてこれからも消えるつもりはない。理由は分からないが、存在していくつもりだ。究極の生命として。だから誰にも負けることは許されない。もちろん、自分自身にも。

シャドウ・ザ・ヘッジホッグは、生存を放棄した記録を破棄し、再び目覚めることを決定した。
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「シルバー、あとは任せろ」
彼は静かにだが、その言葉にはいつものような軽さはなく、真剣な眼差しを俺に向けながら、そう言った。
そうだ、俺は彼に全てを託したんだ。
悔しいが、俺自身の力だけじゃあ、この世界を救う事は無理だった。
だから、あの奇跡の石―カオスエメラルドを自由自在に扱える彼に全てを託したんだ。
彼は全てのカオスエメラルドを俺から受け取ると、その体を黄金に輝かせ、宙を舞う。
暗闇の中、炎の化け物―イブリースから放たれる火球を交わしながら、イブリースに向かうその姿は、まるで、星空を切り裂く流れ星のようだ。
流れ星…そうだ、俺はあの流れ星に願いをかけたんだ。流れ星は俺の願いを叶えるべく、暗闇の中を走っていった。
俺もいつかは、あの流れ星のように、誰かの願いを背負い、戦えるだろうか…?
シャドウとガラハッドお題「砂糖菓子より甘く」


本の中の世界に来てから数日が経過した。
帰ってこないソニックを探しにやってきたが、このガラハッドという騎士が色々世話をしてくれる。
聞けば僕の姿は彼の尊敬する父親にそっくりなのだそうだ。彼の姿も、僕がよく知る人の姿だった。
シルバー。未来から来た銀色の針鼠。彼と瓜二つ。

僕は彼に対して好意を抱いていたが、彼はソニックを好いていた。
今回ソニックを探しに来たのも、彼に頼まれたからだった。

砂糖菓子のように甘い時間が、口の中でさらりと溶けるように流れていく
現実では叶わなかった彼との幸せな生活が叶うこの世界が本当に本の中なのだとしたら、これほど皮肉な事はない。

「父上は本当に立派な騎士だったんだ。今もアーサー王にお仕えしてらっしゃる。
 オレもいつかは父上のような立派な騎士になるんだ」
彼はよく父親の話を僕に聞かせた。憧れを抱くその目をみて、僕はよからぬ企みを思いついてしまった。
憧れと尊敬の対象である父親は、彼に華やかなる性の目覚めをまだ教えていないのだろう。と

背筋がぞくりとした。なんて不道徳で、おぞましいことなのだろう。だが実行したい。
自分の身よりも黒い欲望が、心の底からはいでようとしていた。


古びた小屋の前に立ち、錆びれた蝶番の扉をノックする。中から返事は無かったが、この場所を知っている人間が少ないことを思えば、彼には返事など時間の無駄なのかも知れない。或いはその肌に染みついた特殊な能力が、己の気配を覚らせているのかとも思う。円卓の騎士の一員になったとはいえ、未だその力には知らないことも多い。
「ガラハッド」
「……ランスロット、か」
剣の手入れをしていた手を止め、その名の持ち主が此方を見る。愛刀とそれを拭っていた布を机に置き、立ち上がりながら改めて此方を向いた。武装を外して笑ってみせたなら、童顔も相まってとても円卓の騎士には見えないだろう。
円卓の騎士となる前から、彼はこの部屋を使っている。武具の手入れに適しているというのは建前で、精神統一できるということの方が彼にとって大きな利点なのだろう。出会った当初、人の前に立つことを彼は嫌った。手合せをした際、ざわつく場所、人の多い場所が苦手だと溢したことがある。切れ味が鈍るのだそうだ。自分はそれを、言い訳に過ぎないと切り捨てた。その程度で精神を乱しているようでは話にならない。
初めて手合せをした時のことを覚えている。トリッキーな技を使う相手は厄介だが、刃を交わした感触は“浅い”というものだった。本領が発揮できていない。そして同時に、伸び白の大きさを感じた。腕にも瞳にも、まだまだ強くなる余地を湛えていた。完全に力をものにできたなら、その時は自分をも凌ぐかも知れない。それは予感に過ぎなかったし、自分とてこの程度で力量を定めたつもりはない。
ただ一瞬、剣を折られて自分を睨み上げた瞳に鳥肌が立ったのだ。
成長が楽しみでならないと同時に、もっと手を合わせたいと思う。もっともっと、強くなればいい。薙ぎ倒して後ろも顧みない程に。
「また手合せしてくれるのか?」
「そうしよう」
にこやかな笑みの下に狂気が潜んでいないか探ってしまう。それは何処か、獲物を狙う感触に似ていた。

2012.7.27
スパシル ガラハ 離れがたくて


その光り輝く姿はまるで、天使の降臨とも言える程の神々しさだった。
甲冑を外した自分が、光り輝く姿で目の前に現れるなどと、いったい誰が予想しただろう。
きっと宮廷占い師ですらも、予言することなど出来ないだろう。
「おお神よ…我の前に天使を遣わしていただけるとは…」
ガラハッドは光り輝くシルバーの姿を前にして、深く頭を垂れる。
「……?俺がいる…?」
カオスエメラルドの力によってスーパー化したシルバーの姿は、ガラハッドの目には天使の降臨のように見えたこと
だろう。
シルバーからすれば甲冑を纏った自分が目の前で頭を垂れているのだ。こんな滑稽な場面は想像も付かないだろう。
「俺の名前はシルバーっていうんだ。天使、なんていう名前じゃないぜ!」
「しる…ばー?天使さまの名前はシルバー様とおっしゃるのですね…。私の名前はガラハッド。今は聖杯を探す旅を
している最中です」
まっすぐにシルバーを見る自分そっくりのガラハッドという男の瞳は、全く疑うということもせず、純粋そのものだ。
この世界にシルバーが来てしまった原因はわからないが、自分を天使を間違い、慕うような眼差しを向けてくるガラ
ハッドを無碍にもできす、シルバーは困惑しているのだった。


お題:シルバー シャドウ  ウソでもいいから



もう二度と会えないかもしれない、なんてときに、アイツは口角を僅かに上げた。
「案ずるな。未来は僕が変えてみせる」
「この複数に枝分かれするかもしれない未来を、か。アンタが過労死するぜ?」
「僕は究極だ。過労死?迎えられるものなら迎えてみたいところだな」
見据えた先に居る化け物は、いつぞやの太陽神と似たような奴だ。
様々な世界線、時間軸、全てを壊そうとして。
俺達の出会いも、ここに来て初めて思い出した。
そうだ、過去に会っていたんじゃないか、俺達は。
「…もうすぐソニックと交代する。君は奴の弱点を探って、ソニックと協力して行け」
「分かった。うっかり力尽きたりするなよ?究極さん」
一際眩しく輝く光体が近づいてくる。
今はこの世界を救わなくては。
また、あの青空を皆で見上げなくては。
でも、ここでの出来事はまた綺麗さっぱり忘れてしまうんだろう。
嘘でもいいから、最後に好きだって、言って欲しかったかもなあ。



「…いつか、別の世界で。また会おう、シルバー」
そう告げ、彼は辿り着いた眩しい光体と片手を叩き合う。
出会いの鎖は、きっと途切れないと信じていよう。



首根っこを押さえられ地面に縫い付けられる。漆黒の体毛は光を吸収し視界を暗く淀ませていた。尤も、酸素が脳に行き届いていないだけかも知れない。
「どうした、救世主のなり損ない」
「……」
声帯を押さえられては声を出すこともままならない。此方を見下ろしぎらつく瞳の緑がよく栄えて綺麗だ。自分の姿が映りそうなほど近い。
「笑うなんて余裕じゃないか」
不快さを滲ませた声に合わせ首へとかかる圧力が増した。指摘され初めて、自分の口角が上がっていることに気付く。
自分から見る彼は完璧だった。正しくは、完璧を望まれた人だった。期待に応えるだけの器量も能力も持ち合わせ、誰よりも速く、強く、そして優しかった。今思えばそう在ることを彼自身が己に課していたのだろう。その矜持の裏側に、彼が見てきた多くの痛みと悲しみがあると気付くまでには暫くの時間を要した。
いつか見たいと思っていた。
彼が何を知り、望み、諦め、恨んだかを。
それを知ることで、自分は本物の救世主になれると思っていたのかも知れない。だとしたら我ながら滑稽だと思う。その願いが叶う時が来たらしい。
今なら彼に手が届く。
それなのに、どうして両腕が見当たらないのだろう。


2010.9.3

お題:スパソニ ランスロット  限界ギリギリ



僕が、片腕を無くし。彼は、理性を無くした。

気がつけば、辺りには僕と彼だけ。穏やかでない風の音と、どくどくとやけに響く鼓動と、刺すような痛み。
襲ってきた異界の者達は、今やその姿を一様に消していた。
彼はどす黒く穢れた血を全身に浴びながら、怒りの黄金を未だに絶やさない。
「っ・・・ランス・・・ランスロット!」
振り返って即刻駆け寄ってくる主に、僕は笑って見せた。・・・笑えていたか、分からない。
「申し訳、ございません、陛下・・・。・・・利き腕を無くした騎士など・・・これではもう、
王である貴方をお守りすることも出来ませんね・・・」
傍らに転がる、僕の愛剣と、誇りだった右腕。それらを主は大事そうに拾い上げ、胸に抱える・・・
「・・・畜生・・・また、守れなかったのか・・・」
その光に飲み込まれてしまいそうな、僕の片割れ。
いっそそのまま飲み込まれて、彼を守る力になってくれたならどれほどいいか。
「ランスロット、待ってろ。今すぐ城に連れ帰って・・・」
「陛下・・・。・・・僕は、もう駄目です・・・こんな、円卓の騎士として恥ずべき身体と成ってしまっては・・・」
「馬鹿、お前らしくも無い事言ってんじゃない!」
「・・・陛下のお顔も、もう・・・霞んでるんです・・・血は、どのくらい流れてますか・・・?
僕には・・・それを確かめる事も出来ません・・・」
恐ろしくて。身体を動かせなくて。もう、彼の傍らには立てないのだな・・・。
主は僕の身体を抱え上げた。僕の血が、また彼を汚してしまう。
「絶対助かる、俺が助ける・・・!腕が無くたって、お前は俺の・・・!」
駄目だ。もう・・・駄目だって、頭が理解していた。頬を伝うのは、どちらの涙なのだろう・・・
「陛下・・・貴方の為に死ねるなら、私は・・・」


どうやらそれが、僕の限界だったようだ。





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