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森から草原へ。金色の麦畑へ。

湖面を映したような涼しげな目元と、波打つ美しいブロンドは、カーテンを巻いた程度のお召し物にもよく似合う。微笑みをたたえるばら色の頬。
お慕いしております。その言葉すら、たとえ幾転生したとしても、私に言う資格などない。彼女を汚してしまう。
でも、それでも。
たとえ私が王の命ずるままに動く駒だとしても、この想いだけは本物だと。

「円卓の騎士、ランスロットに命ずる。グィネヴィア姫を連れ戻して参れ」
「承知つかまつりました。私が選ぶは、愛か死か。姫は私の命に代えても」

王の御前で、よくそんな台詞を吐けたものだ。
彼女を馬に乗せるたび、私は欲望に駆られる。どこか違う道へ馬を走らせてしまえばいいと。
彼女さえ望めば、どこへでも行こう。羽を生やしたように軽やかに。想いは飛沫のように、浮かんでは消える。
この愛しき花をさらってしまいたい。手と手をとって、どこか遠い国で、枯れるまで愛して。私だけのために生きて。姫。

ああ、馬鹿な。

そう誘惑に委ねようとした途端、いつも対立した答えが去来して、甘い夢が覚める。

ため息は重く、風に撒かれてかき消える。
そんな度胸もないくせに。愛のために、主を裏切ることもできぬ。
知らず、腕に力が入っていたらしく、

「ランスロット、痛いわ。そんなことをしなくても、落ちやしないわよ」
「存じております」

でも彼女が笑うから、馬のつま先は城のほう。

「ここから先はいっそう道が険しくなります。掴まっていますよう」

唇に言い訳をのせて、私は姫を強く抱き寄せる。
 

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ぐつぐつぐつ。なんの音?

「―――ということで、大量発生したカオスを消費するアイデアとして、料理に使えないかという案が持ち上がったわけじゃが」

生徒そのいちは返事のかわりに大きなあくびをしました。
人類最高の知能の所持者、悪の枢軸の軸であると自負しているエッグマンのご講義を聞き流すとは、なんたるふてえやつです。

「けどさぁ、食えるの、それ」
「人類の食への飽くなき探究心をなめてはいかんぞ。そんなだから貴様はいつもちょっとすごいハリネズミどまりなんじゃ」
「食えるかって聞いただけで、ずいぶんな言われようだな・・・」 」

ごほん、と咳払いをしました。ひとりきりの生徒をちらとみましたが、彼はもうUFOを探して窓の外をみています。
それを見て、人類最高の知能の所持者であるところのエッグマンは、目に入ったものを速やかに見なかったことにしました。あとで裁判沙汰になっても、ワシは事前に説明はしたもんね聞いてなかったほうが悪いんだもんねってかんじです。

「カオスは原材料が水である。ほんのり塩味を寒天で固めたようなかんじ・・・のような気がする。シロップをかけたり、味付けを施してみたりしたぞ。ほれ、そこのエリアがいちごシロップ、あそこが黒蜜・・・まぁ、カキ氷のノリでいけるじゃろ。口にしても人体には無害じゃ、ほとんど、おそらく、多分」
「おい、エッグマン」

忘れていましたが、彼は肝心なときに地獄耳なのハリネズミでした。世界最高の頭脳といえど普通の人間、エッグマンはいつもいつも己の爪の甘さに泣くはめになるのです。

「本当に食えるんだろうな? っていうか、お前が食うんだろ?」
「もちろん違う、貴様が食うのじゃ」
「冗談じゃないね。人類の食の飽くなきなんちゃらなんだろ、食え、食えよさっさと食え・・・っ!」
「それこそ冗談じゃないわい! 何のために貴様を呼んだと思っておる!」
「一ミリも聞いてねえよっ!」

時限式の、足元の機械仕掛けの床が動きはじめました。開いて、謎の液体が渦巻いています。
ぐちぐちと醜く言い争い、ひとしきりもみあった末、どちらもなく足をすべらせて、ふたりは鍋に落ちてしまいました。
それは、まるで滝つぼに落ちていくホームズとモリアーティー教授のようでした。
どっぽん。
カオス寒天は思いのほかゆるゆるで、赤ん坊や、歯の悪いお年寄りにも安心でした。

「うわーっ、ひやっこいーっ」
「ひんやりゼリーまみれじゃあ! ぐちゃぐちゃじゃあー! これで地球温暖化、いやさ地球イブリース化だってなんのそのじゃあーっ」
「苦しいけどなんだか幸せー!」






おちません

○月×日
今日はとっても嬉しいことがあったわ! 多分生まれてから最高の一日よ!
私がベッドから起きれるくらいまで良くなったとき、おじいさまが一匹のハリネズミを連れてこられたの。
赤毛の混じった、黒いハリネズミだったわ。名前はシャドウ。15歳ですって。
私をじっと見て、「こんにちは」って挨拶したのは、お人形みたいでとてもかわいらしかった。
体は成長しているけれど、心はまだ赤ちゃんのようなものだから、いろいろ教えてあげなさい って、おじいさまがおっしゃっていたわ。
うふふ、少し先に生まれた私はシャドウのお姉ちゃんね。

これからよろしくね、シャドウ。


○月×日
今日はシャドウにアークの中を案内してあげたわ。
先生からはベッドからでてはいけませんって言われてたけれど、
シャドウのお姉さんだもの、このくらいへっちゃらよ。
私のお気に入りの場所は、シャドウも気に入ったみたいだった。
私の大好きな地球が見れるばしょだもの。今日もとってもきれいだった。嬉しいわ、また来ましょうね。


○月×日
また新しいお薬を増やした。
お医者の先生は申し訳なさそうだったけれど、私の体を治すためには仕方ないわ。


○月×日
研究員の人たちに貰った花の種をまく。
土はないので、シャーレの上。小さいけれど、かわいい花が咲くんですって。
はやく病気がなおりますように って、ベッドのそばにおいておいた。
できたらシャドウに見せてあげるわね。


○月×日
シャドウはすごいわ。もう難しい単語が読めるようになってるのよ。
私は薄い絵本を読むのでさえ、もっとかかったのに。
シャドウは天才ね! おじいさまみたいな学者になれるんじゃないかしら。


○月×日
シャドウの知識がなぜ増えたのか分かったわ。
こっそり夜中に研究室で勉強をしているみたい。ずるいわ、なんで教えてくれなかったのかしら。
ビデオを見たり、跳んだり走ったり、検査したりしている と言っていたわ。
とても楽しそうね。私もシャドウみたいに体が丈夫だったらいいのにな。


○月×日
シャドウの様子がなんだかおかしい。
とても疲れているみたいだったけど、それを言ったら
シャドウに「マリアは心配しなくていい、それよりは自分の心配をしてくれ」って、髪を優しく撫でられて、笑ってごまかされた。
私には分からないけれど、体を大事にしてほしいわ。


○月×日
今日はお客さんがたくさん来たみたい。知らない人が何人かいたわ。
おじいさまがとても難しい顔をしてらっしゃった。
シャドウの疲れもだんだん酷くなってきてているみたい。
とてもお話できるような雰囲気ではなかったわ。少しさびしい。


○月×日
今朝はちょっと調子が良かったから、こっそり研究室を覗いてみたの。
私、ちょっと信じられないものを見てしまった気がする。
シャドウが、テレビの画面に向かって銃を使っていたわ。
人が襲って来るのを、ただひたすら撃ち続けていたの。とても慣れていて、初めて使ったとは思えなかった。
シャドウ、あなた、こんな勉強をしていたの?


○月×日
少し間があいてしまった。
ちょっと咳がひどい。でもシャドウがときどきお見舞いに来てくれるからへいきよ。
またしばらく治すのに時間がかかるかもしれないけれど、待っててね。

元気になったら、また展望台に行きましょう?

 

○月×日
今日はちょっと早起きしたの。まだベッドからはでられないけれど。
外がなんだか騒がしい。
ノックの音がする。

はい、い ま

「チリドッグ」
「花」
「ご機嫌なサウンド」
「仲間」
「ライバル」
「地平線まで走ること」
「そのときに見る朝陽」

「「自由」」

「Hey,どこからどこまで全く同じだなぁ」
「当然だろ? 自分なんだから、」

「さ!」と、満月と同じ色に鈍く輝いている『ソニック』がそこいらにある缶を蹴り上げた。
真上に跳ね上がったそれを追いかけるように光が閃めき―――気づけば、それは毛むくじゃらの『ソニック』が振り下ろした爪に両断されていた。
ひゅう、ともう一方が口笛を吹く。

「お見事! やるじゃないか。便利そうだな、ソレ」
「だろ? 結構気に入ってるんだぜ」
「にしても、エッグマンのやつ、どうやったら俺をこんなにできるんだ? この胸、まるでシャドウみたいだ」
「NON! 触るなって、熱いだろう!」

オオカミは焦げそうになる毛皮に気づき、慌てて振り払った。
黄金色の彼が、指を天に向かって立てた。

「だが問題がひとつあるな」
「?」
「そいつでレコード引っ掻いたらいくらなんでもブッ壊れちまう」
「あっ! mmh...そいつは困ったな・・・」

真剣な顔をする『ソニック』に対して、『ソニック』はくつくつと忍び笑いをした。

「それは俺もいっしょだよ。溶けちまう」
「なんだ、やっぱり一緒だな」

たとえ、どんなに身体的に制限がかかろうと、
『彼』の心が自由なら、この世の誰にだって『彼』を縛ることなんてできやしない。
今想えば

時空を超えたことは数あれど、
カオスエメラルドの力をもってしても、次元の壁というものは果たして超えられるのだろうか。

その女性はティカルと名乗った。白く、繊細な文様が入った民族衣装と、燃えるような赤毛。
彼も今まで何人かの女性に出会ったことはあるが、そのなかでもとりわけ意志の強そうな瞳であると、シャドウは思った。
侵入者であるところのシャドウに全く驚きもせず、彼女はいやに落ち着き払って言った。
まるで、シャドウが来ることを初めから知っていたかのように。

「どうです、お茶でも」

チャオの手によって、ソーサーに乗ったカップが目の前に差し出された。
シャドウは反射的に手を伸ばすと、スーパー化のエネルギーが作用したのか、湯呑みが弾けとんだ。
今までティカルの傍らで黙っていた、チャオの親玉に睨まれた。チャオが怯えたが、破片で怪我はなかったようだ。
思わず手を伸ばそうとして、ティカルに制止された。

「いえ、そのままで結構」
「・・・」
「あなたを呼んだのはほかでもありません」

次の瞬間、彼女は思いっきり破顔して言い放った。

「ナックルズさんの、今年のワインとジャムを届けてほしいんですが」

思うに、それは「おつかい」だとか、そういった類のものだったのかもしれない。
そして、たまたま傍を通った彼がとばっちりを受けてしまったのだと。

時空を超えるというのは、なかなかどうして奇妙なものだ。
一度経験したなら忘れられない。それほど強烈な体験だと思う。

頭は始終ぐらぐらと回転を加えられ、さっきからずっと乗り物酔いのように気分が悪い。
あちこちから引っ張られる感覚がする。意識をしっかり保っていないと、どこかに私を落としてしまいそうな気がする。
慣れているのか、彼は悠々と地表のない世界を飛んでいる。

「意識を保て」

そうだ、意識を保っていないといけないと、彼にきつく言われたばかりだった。

「目を閉じるな。持っていかれるぞ」

視覚は全て灰色に塗りつぶされ、上も下も分からない状態だ。
これなら目を閉じていてもいなくてもいっしょじゃないか、と思ったけれど、彼は怒るととても怖そうなので言わないことにする。
会話は必要最低限で済ませていて、無駄口は一切叩かない主義らしい。楽しい時空の旅はもう半ば諦めていた。

雲の中に入ってしまった飛行機がこんな状態に陥ると聞いている。
まだ電子機器の発達していない昔、これに迷い込んでしまったせいで天地が逆さまになり、海に散華した飛行隊員がたくさんいるという。
もっとも、何かの本に書いてあったと記憶しているだけだから、「聞いた」というのは正しくないかもしれないけれど。

重力の方向すらも分からない、空の上のホワイトアウト。
彼らは白い牢獄の中で、いつ抜けるかわからない無限の刹那のあいだ、どんなに不安だっただろう。

だけど私には彼がいた。
彼は命綱であり、頼れる羅針盤でもあった。彼はこの浮草のような肉体を支え、しっかり導いてくれる。
冷たい態度のくせに、手のひらだけは生命のエネルギーに溢れているのが伝わってきて、
それのお陰で優れなかった気分も少し安らいできた。
迎えにやってきてくれた頃には眩しすぎた金色も、今は優しくさえ感じた。

彼は何も言わないけれど、私は彼の名を知っている。

「ありがとう、帰りもよろしく頼むわ」

返事はない。彼は、ただそこに立っていた。
けれど私は彼は絶対に迎えに来てくれるとを知っていたし、それに私は行かなければいけない。
友人たちが待っている。



○○>こんばんわー


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