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森から草原へ。金色の麦畑へ。
湖面を映したような涼しげな目元と、波打つ美しいブロンドは、カーテンを巻いた程度のお召し物にもよく似合う。微笑みをたたえるばら色の頬。
お慕いしております。その言葉すら、たとえ幾転生したとしても、私に言う資格などない。彼女を汚してしまう。
でも、それでも。
たとえ私が王の命ずるままに動く駒だとしても、この想いだけは本物だと。
「円卓の騎士、ランスロットに命ずる。グィネヴィア姫を連れ戻して参れ」
「承知つかまつりました。私が選ぶは、愛か死か。姫は私の命に代えても」
王の御前で、よくそんな台詞を吐けたものだ。
彼女を馬に乗せるたび、私は欲望に駆られる。どこか違う道へ馬を走らせてしまえばいいと。
彼女さえ望めば、どこへでも行こう。羽を生やしたように軽やかに。想いは飛沫のように、浮かんでは消える。
この愛しき花をさらってしまいたい。手と手をとって、どこか遠い国で、枯れるまで愛して。私だけのために生きて。姫。
ああ、馬鹿な。
そう誘惑に委ねようとした途端、いつも対立した答えが去来して、甘い夢が覚める。
ため息は重く、風に撒かれてかき消える。
そんな度胸もないくせに。愛のために、主を裏切ることもできぬ。
知らず、腕に力が入っていたらしく、
「ランスロット、痛いわ。そんなことをしなくても、落ちやしないわよ」
「存じております」
でも彼女が笑うから、馬のつま先は城のほう。
「ここから先はいっそう道が険しくなります。掴まっていますよう」
唇に言い訳をのせて、私は姫を強く抱き寄せる。
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