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- 我が名は アルフ ライワ ワ ライラ -
 
 
神を騙る怪物が、世界を闇に還そうとする。
その闇の中から、小さな望みがソニックに味方した。
壊れた指輪が泣いている。
 
お願い、彼を、止めて、止めて、止めて…
 
残念ながら、彼女が救いたいと願ったランプの魔人はもういない。
呑みこまれた。その欲望ごと、強すぎる望みの中に。
今ならわかる。
 
シャーラ、お前はジンを愛していたんだろう?
ジンもシャーラを愛していた。
ただ、願いを叶える呪いから解放されて、ふたりだけの永遠を作りたかったんだ。
 
「千夜一夜の醜いバケモノめ。お前がイレイザージンを操っていたんだろう?」
 
嘲笑う声、しかし怒りの形が光の刃になり襲いかかってくる。
図星だったか。簡単なヤツだ。
シャーラの声を頼りに力を蓄えると、一気にアラビアンナイトの神を潰しにかかる。
 
「お前にはキッチリ責任を取ってもらおう。消えろ!」
 
力の全てを叩きつけると。
大きすぎる力はゆるゆると崩壊していった。

 
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Dr.エッグマンが引き起こした事件が、この世界の混乱だというのはわかっていた。

 

それにソニックが立ち向かっていることも。

今回の冒険には、空を飛べる小さな生き物がついていることも、新聞記事の写真に掲載されていた。

だが、もう一人、大男?大狼?がいっしょだと言うのは聞いてない。

GUNの混乱を放置して出かけようとするのを、ルージュが心底呆れた顔で見送ってくれた。 

復活したカオスエメラルドが星のどの位置にあるのかを計算し、次にソニックが訪れるのはアダバタという海に浮かぶ島国だと予想がついた。

カオスコントロールが使えないのでGUNのヘリを使って、アダバタの小さな村のある島へ降り立てば、見慣れた2尻の子狐がいる。

 

「やぁ、シャドウ!ソニックなら、ジャングルの方へ行ったよ」

「こんな夜半に海の上を走っているのか?自殺行為だな」

「あ…ええと、まあいいや」

曖昧に言葉を濁したテイルスを、ギランと睨みつけた。

さか、噂の大狼と一緒なのでは。

シャドウも夜半の海の上を走ってジャングルへ向かう。ちょっとだけ自殺行為だった。

海とジャングルしか存在しないはずの島に、石造りの建造物があった。その中心に近い場所で、青白い光が集まっているのが見える。

ドクターが解放した闇の生き物だ。ソニックが戦っているのは間違いがない。

急いでその場所まで駆けてゆくと、例の大狼が拳を振り回していた。

ソニックは?

…ソニックは?

 

「やったね、ソニック!イエーイ!」

  

小さな生き物とハイタッチをする大狼。

月明かりを浴びて変身する、物語の獣そのものだった。

 

「何故、キミが、そんな姿に」

「う、うわああ!! シャ、シャドウ!??」

 

大狼が、細いヤシの木の影に必死で隠れようとする。が、顔以外全部見えている。

ボクを認識して、すぐに「シャドウ」と呼ぶのはソニックしかいない。では、やはりこの大狼が…。

 

 

「出てこい、ソニック。何故隠れる?」

「だ、だって、オレは…お前に見せられる顔じゃ…ねぇよ」

 

その図体に似合わず、語尾は細くなる。いつもの自信であふれるソニックとは全く違う。

声も低く、重い。だが、心地よいと感じるのは、いつも通りなのに。

恥じているのだろうか、その姿を。

 

「ボクはキミに会いに来た。だけど、キミが会いたくないというのなら、ボクは帰る」

「シャドウ…オレだって、会いたかった。でも、こんなオレじゃあ、お前を抱きしめた途端に握りつぶしかねないから、さ」

 

冗談混じりに、でも隠しきれない戸惑いを感じる。

シャドウを潰せるなんてできない、解っているはずだ。

 

「ならば、この冒険が終わったら、また会いに来る」

「まっ、待ってくれ」

 

ジャングルから浜辺の方へ駆けだそうとすると、ソニックがあり得ない腕の長さでシャドウを捕まえた。

優しく長い腕で抱きしめてくるその大狼の顔は、シャドウには見えない。

だけど、やはり彼は。

 

「冒険が終わったら」

「いい忘れるところだった」

「オレに言わせろ。愛してる、だろ!」

 

ふわりと、手の力がゆるんだ。

シャドウは月明かりのジャングルを駆けだした。

 

ボクが信じていたのは、プロフェッサーの言葉だけだった。

ボクが欲しかったのは、マリアの幸せだけだった。

全てを壊して更地に還す。新しい命など要らない。

取り戻したい過去は決して戻らない。

 

 

 

「ジャマをするなら貴様も殺す」

 

 

手の中に生む光の刃を握りしめる。

かなりの痛手を負っている青いハリネズミは、ふざけて笑いながらボクを見返してくる。その笑みがボクの苛々を募らせた。

 

「お前の正義も、世界の運命も、オレには関係ないね。ただ、今までみたいな青い空が見られなくなるってのが嫌なだけ、それだけさ」

 

「ならば貴様の命ごと、空も奪えばいいということだ」

 

赤い燐光を纏う刃を次々と飛ばし、青いハリネズミを襲う。が、この期に及んで往生際悪く逃げ回るそれ。

苛立ちはさらに強く、手の中の刃は赤い剣になった。

ボクが、このボクが、お前を切り裂いてやる。最初の血祭りに上げてやる。

 

「おっと、ソイツは当たれば痛そうだ!」

 

 

青いハリネズミがひらりと身をかわし、ボクに黄色いカオスエメラルドを見せつけた。

すると、その手の中に、黄金色の光の剣が生まれる。

 

「まさか、そんなことまで…。キミは一体何者だ?」

「さあな。お前と同じ、ただの、ちょっとスゴいハリネズミだよ」

「ならば何故ボクの前に立ちふさがる?」

「オレだって、気にいらないことは殺してでも止めたいのさ。お前と同じで、な!」

 

金属同士のぶつかり合う、高く澄んだ音が、暗闇の方舟に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

確信犯:政治的・宗教的なものを信念として、その考えに則り行う犯罪のこと。

ソニックに連れられ異界へ繋がる虚空を抜ければ、そこには石造りの城塞と、剣と魔法の世界があった。

 長い髪に大きな杖、足もとまで包み込むローブの女性が「おかえりなさいませ」とソニックに一礼する。
 まるでこの世界に、彼が絶対必要なパーツのように扱っていて、気に入らない。

「なんだ、また異界の者を連れてきたのか」
「その方がパーシヴァルにとっちゃ気が楽になるだろうと思ってさ」

 随分下の方から話しかけられたと思ったら、なんと剣がひとりでに動いて喋っている。
 これも魔法の力なんだろうか。
 それにしても案内も無しに、複雑な城の中を迷うことなく歩いているソニックは、確かに何度もこの場所に訪れていて世界に馴染んでいるのだろう。
 このような世界にとって、私は異分子以外の何でもないのだけれど。
 塔をひとつ上がり、ソニックが足を止めたのは大きな扉の前。
 こつこつ、と軽く、甲高い音のノックをする。

「パーシヴァル」
「…ソニック殿…今は、お会いしたくありません」

 中から聞こえてきた声に驚いた。まるで私の声ではないか。
 目を丸くしていると、ソニックは肩をすくめて苦笑する。

「慰めてやってほしいヤツってのはこの中にいる。ブレイズに似て頑固なところがあってさ、オレがこっちにいる間は絶対顔を合わせないとか言い出して、困ってるんだ」

 もう一度ノックをして、ソニックが扉を押した。カギはかかっていなかった。
 金属の軋む音がして、部屋の中の気配が動く。
 ブレイズはそっと扉の隙間から部屋の中に忍び込んだ。
 豪奢な長椅子の上に小さく膝を折りたたんで座っているのは、まるで鏡映し。

「何をしにきた、異界の者。私はそなたを必要としていない」

 拒絶。けれど、全く語気に勢いがない。死んでしまっているよう。
 考える。
 この世界はソニックを必要としている。
 そんな世界に私がいたら?
 どこにも行かせたくないと思うだろう。それを言う勇気もないくせに。

「ならば、私がソニックを元の世界へ連れ帰り、私だけのものにしてしまっても構わないのか」

 鏡映しの私が顔を上げた。
 その瞳に、ようやく炎がともる。

「そなたも、それを言う勇気などないくせに」

 どちらからともなく手を差し伸べ、鏡同士を抱きしめあう。
 やわらかな痛みに触れて、癒しあうように。

 結局私たちに、風を捕まえることなどできないのだから。



「ブレイズさん、とってもきれいな音が聞こえマス」

 大きな耳を高く立て、草原を渡る風を聞くウサギの少女。
 夕景の終わりに薄い月が飾られ、歩む先には小さな村明りがある。

「確か、今は祭りの季節だな。収穫を祝って賑やかになる」
「そうなんですか?」

 暗くなる道が不安なのか、彼女が私の手を握る。その反対側の手には、親友のチャオを抱いて。
 村に近づくにつれ、楽しげな喧騒が届くようになる。
 アコーディオンの伴奏に大地の豊穣を喜ぶ祈りの歌声。旅芸人の曲芸への拍手。

「遊んでいくか、クリーム」
「ハイです! でも、少しだけ待ってください」

 村への入り口まで来て、彼女は祭りの広場とは別の方向へ歩き出す。
 嬉しそうにチャオの手を離すと、彼女の親友は不思議な声で歌い出す。

 やがて、喧騒とは別の音が耳にも届くようになる。
 滝だ。
 轟々と落ちる水音に、チャオがはしゃぐ。

「わかりました! この音だったんですね!」

 私にはよく解らなかった。けれど、景色は次第に変わる。
 季節を忘れた夜光虫が、ひとつ、またひとつ、現れて消えて、重なり合ってまた輝く。
 幻想とはこういう景色のことを言うのだろう。

「クリームには音が聞こえているのだな」
「ハイ! ブレイズさんは聞こえませんか?」
「どんな音がする?」

 見つめる景色が輝きを増してゆく。
 その光は、まるで。

「ダイスキなひとの音です」

 じっと聞いていれば、私にもその音が聞こえるだろうか。
 

「信じられない」

 灼熱の炎が城を包みながらも、震えが止まらない。
 城壁はすでに半分が崩れ、今も低い地鳴りを伴う振動が足もとから這いあがってくる。
 何が、彼を、王を、狂わせたのか。
 剣を握りしめ生存者を捜す。
 けれど、瓦礫ばかりのかつての庭には、潰れた遺体や肉片ばかりが転がっており、正常な死、戦いがあったとは到底思えない。

「…パーシヴァ…」

 僅かに聞こえた呼び声。
 白い石畳に魔方陣が薄い燐光で浮かび、王宮魔術師のマリーナが姿を現した。
 彼女も、満身創痍の出で立ちだった。
 魔法が途切れると糸の切れたマリオネットのようにぐったりと地に伏せる。

「マリーナ、これはどういうことだ。これではまるで…」
「前のアーサー王と同じ…です」

 地底から闇を呼び寄せ、その黄泉の力が解放された。
 それを封じるために、彼はカリバーンと共に挑んだのだ。

「王は、敗れました。自らを制する力を闇に奪われたのです」

 白い竜巻が瓦礫を巻き上げ始めた。
 赤い稲妻が未だ残る塔に次々と落ちてゆく。
 パーシヴァルが見上げた空を、黒い槍が引き裂いてゆく。

「王よ! ソニック殿! 私は信じない! あなたはこの国を滅ぼす者ではなかったはずだ!」

 パーシヴァルの叫びが届いたのだろう。
 黒い槍が上空にぴたりと止まる。
 いつもの、優しく、慈悲に満ちた、自由の王は、昏い闇を背負って、パーシヴァルを見下ろしている。

「私は知っている。あなたが、どれほど人を、民を、仲間を愛しておられるか」
「残念だ。パーシヴァル」

 空から降ってきた言葉は、生きている者の心を凍りつかせた。

「オレの、真実なんて、誰も」

 笑っている。けれど、こんな悲しい微笑みをパーシヴァルは今まで見たことがなかった。
 消えてゆく意識の中、パーシヴァルは思い知る。
 死して、王のそばに侍ることで、王が癒されるのであればそれでいい。

 真実の孤独は、彼が背負っている。
 知らずにいた。
 知らずに…。

おまえら、よーっく聞け!

今度のシゴトは、別次元の宇宙だ。
それがどこにあるかはわからない。

わっかんねーモンは仕方ねーだろ!

あー、まあ、エスピオ、調べてくれ。
エッグマンのアジトに行けば何か手掛かりぐらい残ってんだろ。
宇宙まで行けばなんとかなる!
そう、カッカするなよ。頼りにしてんだぜ?

ま、カオティクス探偵事務所を引っ張ってんのはオレだし、イチバン頼れるオトコはオレだけどな!


おう、ヴァニラさんの依頼だ。
引き受けるのが正義ってヤツだ。当然だ!

お嬢さん、かわいいクリームちゃんが、まーたアイツらと行方不明なんだとよ。
お母さんに心配かけちゃイケナイよなあ。

あの清楚で可憐で優しく美しいヴァニラさん…ケーキは絶品だったぜ…

え?

ひ、ひとりで食べたって?!
そりゃ依頼を受けた時にお前らがいなかったから、仕方なくオレが食っ…
ちょ、待てチャーミー!
待っ、

いてえええええ!!!!

そんなに怒るこたあねえだろ!
このカオティクス探偵事務所を支えてるのはオ…

 

おまえら、オレの話、聞けよ!
しまいにゃ怒るぜ!

 奥歯を食いしばって、わたしが睨みつけるのは我が国王。

「やめてください、このようなこと」

 煮沸した蒸気の噴き出す間欠泉で、おうさまのまねをしたぼうけんごっこをしていた子どもが、当のソニックの胸にしがみつくようにして眠っている。


 モルテンマインで子どもがいなくなったと騒ぎになったのはこの夕刻。
 慌てて火山を駆け上がれば、子どもを抱いたまま黄泉から溢れた闇蜘蛛を蹴散らす王をみつけたのだ。
 普段の王と何も変わりない強い戦いぶりに加勢は必要ないかと思わせて、振り向いたその肩から背にかけてざっくり開いた大きな傷から赤い血を滴らせていた。
 一気に怒りが頂点に達したわたしが、炎を撒き散らしてあたりを一掃すると、王は、ソニックは私に微笑んで言ったのだ。

「必ず来てくれるって信じてたぜ」

 なぜ、あと僅かな時間、待っていてくださらなかった。
 一緒に行動していれば、このような傷を負わせたりしなかった。
 けれど、子どもの無事がソニックには最優先で、そうでなければ彼ではないというのに。
 わかっているから、余計に悔しさが増す。

「ご無事でよかった」

 わたしには、それしか言えない。
 泣いて、ソニックの命を惜しむようなことを言うことができれば、もっと幸せになれると思うのに。

 こんな想いを知ってか知らずか、ソニックはまた私に微笑を向けるのだ。

「帰る時は一緒だろ、パーシヴァル」

 

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