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 まるで絶え間なく、音楽が流れている様だった。この空間、そし
てオレ自身の鼓動が。
 オレの知らない、見た事も無い、どす黒いオレの姿に、困惑を覚
える。
 あの化け物に対する――怒り?。
 何時もと勝手が違う、集中できない。まるでリングの力がオレの
限界などお構いなしに、力を流し込んでいる様だった。
 自分自身でも恐ろしくなる。この込み上げてくる激しい感情に、
身体が破裂しそうだった。――狂暴な魔神の様に。
 抑えが効かなくなれば、あの化け物の様に膨れ上がり、やがては
全てを消し飛ばすのだろうか?。
 駄目だ、とにかく、とにかくこの力を解き放たないと、あの化け
物にも勝てない、オレ自身もおかしくなる。早くこの力を制御しな
いと。
 突如、イレイザー・ジンの成れの果ての、化け物の爪が襲い掛か
った。胸元を深く切り裂き、弾き飛ばされる。


“ふざけやがって…”

“出来損ないの化け物が”

“オレに逆らうか!?”

 焦りよりも速く、思いがけない言葉と感情が一気噴き出した。同
時に全身を包み込むような高鳴りを感じた。――最高にハイな気分
だ。
 そしてオレは突然理解した。――あぁ、これはこう言う事か。
 気のせいとばかり思っていたが、音楽は確かに流れているんだ。
 オレのリズム、今のオレのリズムと言うべきか。
 そういえばコイツには、随分と姑息に立ち回られた物だ。
 このオレに、虚仮威しをして、彼女を苦しめ利用して。
 上等だ、ここは魔神らしく、派手に荒ぶってやろうじゃないか。

「OK、ロックンロールだ…クソヤロー」

 胸を流れる血を一舐めする。最高にハイな気分だ

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 どこかで見た事のある様な、無い様な。久し振りの海釣りで掛っ
た獲物はとにかく――不思議だった。
 体長は優に三メートルを超えているだろうか、やたらと飛び出し
た鋭い牙が恐ろしい。
 頭から尾びれまで、透き通るようなブルーだが、目を見張るのは
、二股に分かれている緑色の尾びれ。――不思議だった。
 青空に舞うカモメ達も、相棒のカエル君も目を丸くしている。こ
れは本当に――不思議だった。
 鱗が一部剥がれていた。徐にその中を覗き込んで見た。
 赤い血が出ているが、その体内は定期的にチカチカと信号の様に
点滅している。――不思議だった。
 これは、どうにも分からない事だらけだった。そもそも魚なのだ
ろうか?。鰭もよく見ると両生類の足の様にしっかりしていた。
 そして骨だと思っていた物は、爪と言った方がいいのかもしれな
かった。
 バスケットボールぐらいの大きな目玉がこっちを凝視している。
 目の奥は小さなガラス玉がビッシリと敷き詰められている様だっ
た。これは奇麗だ。
 しかし、その一粒一粒がそれぞれ不規則に動いている。魚の目と
言うよりは、蠅の目の様だ。――不思議だった。

「ビッグぅ! 魚釣れたの? え……」

 バーベキューの準備をしていたエミーがやってきたが、凄まじい
悲鳴を上げて引っ繰り返った。カエル君も潰されないように飛び上
がる。――やはりこれは、とんでもない物なのだろうか?。
 エミーを起こしてあげた。エミーの手は恐がっているのか、強く
握り締められ、簡単には、離してくれなさそうだった。
 皆の所に持っていけば、何かわかるだろうか?。何かわかれば、
おいしく食べられるかもしれない。そうだ、持って行こう。
 でも。
 
「………何だろうぉ?」


「潜り込んだ…」

「了解だ、エスピオ。電源を落とすまで五分だ」

 無線のノイズ越しにベクターの声は喧しい位に響く。音量を少し
下げた。
 やはり今回の仕事は気が進まないな、GUNの施設に侵入するな
ど、探偵の領分を越えている。
 しかも、相手が相手だからだ。最近のベクターは分別が無さ過ぎ
る。事務所の運営に金が掛るのは分かるが――ドクターエッグマン
を脱獄させるなど。

「本当にやるのか? ベクター」排気口から向かって来る、の生暖
かい空気が不愉快だ。

「仕方ねぇだろエスピオ、今回の仕事はエッグマンのオッサンがい
ねぇと始まらねぇんだ。大体お前がシャドウに先を越されたから」

「言うな、分ってる」

 犯罪紛いの行為はそもそもは私のせいだとと言うのか?。げんな
りさせられる。
 確かにシャドウの妨害、否、シャドウの行いが正当だろうが。ま
さか、このタイミングGUNが動くとは予想外だった。間が悪いと
ぼやきも出て来る。
 排気口の出口からエッグマンが居るとされる、独房まで、約二十
分、ここだ。
 巻き込まれれば、ひとたまりも無いファンのすれすれまで近づい
て、配線を切断し、布で回転を止める。近代建築は意外に容易い。
 電源が落とされるまで、あと二分。ファンを外し、排気口から出
ると、そこは独房どころか、長く一通の通路だった。

「ベクターまだか? 以外に見張りが多いぞ…」

「急かすな もう少しだ…あと一分で」

「人が来る、静かに…」

 無計画な侵入作戦では無理もないか。おそらく見取り図の見間違
いだ。先ずは姿を消そう。
 低くかがみ、壁の灰色に身体を合わせる。これは難儀な色だ。
 GUNの兵士か。腰のホルスターには、拳銃がしっかり治まって
いる。厳しいかもしれないな。
 選択肢は二つだ。怪しませながらも、動き回って電源が消えるの
を待つか?。それとも状況に合わせ、本職の手順に準ずるか?。
 後者を選んだ場合はベクターとは別行動になる。チームワークが
モットーのベクターが嫌う。しかし、――もう潮時だな。
 兵士の正面まで接近し、溝に一撃、そして首に一撃。倒れる身体
を支え、静かに寝かせる。

「ベクター、無線を切るぞ…」

「何言ってやがるんだ? 電源なら…」

「それでは間に合わぬ、拙者の合図で電源を落とせるように、準備
していてくれ…ここからは拙者のやり方で、やらせてもらう…」

「おっおい、待てエスピ…」

 認めたくも無いが、忍びの血が騒いでいた

マリアとソニック“怖”


シャドウの意識に迷い込んだ。
概ねそれで間違いなのだろう。
俺もシャドウも気を失って意識だけがお互いに飛んでしまった。
例によってカオスエメラルドが引き起こす奇跡には
制限が無いと、思い知らされる。
オレの見ているシャドウの意識にある光景は冷たく無機質な
白に満たされ、窓の外に広がるの延々と続く黒と散りばめられた銀の粒、
――スペースコロニー・アーク。
そして鳴り止まない銃声と悲鳴とも咆哮とも解らない怖ろしい音が
少しづつ、しかし確実に迫ってくる、そう、
オレはこれからシャドウの意識の中で最も怖ろしい光景を目にする事だろう。
オレ背後を付いて来る彼女の顔は不安で今にも押しつぶさせれそうになってた。

「心配するなマリア! オレ…僕が側にいるっ!」

「シャドウ?」

「とにかく今は走ろう、きっと大丈夫だから…」

何も出来ない事は百も承知だ。
それでも走るんだ、オレが彼女にしてやれる事はそれぐらいしかない。

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