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「潜り込んだ…」

「了解だ、エスピオ。電源を落とすまで五分だ」

 無線のノイズ越しにベクターの声は喧しい位に響く。音量を少し
下げた。
 やはり今回の仕事は気が進まないな、GUNの施設に侵入するな
ど、探偵の領分を越えている。
 しかも、相手が相手だからだ。最近のベクターは分別が無さ過ぎ
る。事務所の運営に金が掛るのは分かるが――ドクターエッグマン
を脱獄させるなど。

「本当にやるのか? ベクター」排気口から向かって来る、の生暖
かい空気が不愉快だ。

「仕方ねぇだろエスピオ、今回の仕事はエッグマンのオッサンがい
ねぇと始まらねぇんだ。大体お前がシャドウに先を越されたから」

「言うな、分ってる」

 犯罪紛いの行為はそもそもは私のせいだとと言うのか?。げんな
りさせられる。
 確かにシャドウの妨害、否、シャドウの行いが正当だろうが。ま
さか、このタイミングGUNが動くとは予想外だった。間が悪いと
ぼやきも出て来る。
 排気口の出口からエッグマンが居るとされる、独房まで、約二十
分、ここだ。
 巻き込まれれば、ひとたまりも無いファンのすれすれまで近づい
て、配線を切断し、布で回転を止める。近代建築は意外に容易い。
 電源が落とされるまで、あと二分。ファンを外し、排気口から出
ると、そこは独房どころか、長く一通の通路だった。

「ベクターまだか? 以外に見張りが多いぞ…」

「急かすな もう少しだ…あと一分で」

「人が来る、静かに…」

 無計画な侵入作戦では無理もないか。おそらく見取り図の見間違
いだ。先ずは姿を消そう。
 低くかがみ、壁の灰色に身体を合わせる。これは難儀な色だ。
 GUNの兵士か。腰のホルスターには、拳銃がしっかり治まって
いる。厳しいかもしれないな。
 選択肢は二つだ。怪しませながらも、動き回って電源が消えるの
を待つか?。それとも状況に合わせ、本職の手順に準ずるか?。
 後者を選んだ場合はベクターとは別行動になる。チームワークが
モットーのベクターが嫌う。しかし、――もう潮時だな。
 兵士の正面まで接近し、溝に一撃、そして首に一撃。倒れる身体
を支え、静かに寝かせる。

「ベクター、無線を切るぞ…」

「何言ってやがるんだ? 電源なら…」

「それでは間に合わぬ、拙者の合図で電源を落とせるように、準備
していてくれ…ここからは拙者のやり方で、やらせてもらう…」

「おっおい、待てエスピ…」

 認めたくも無いが、忍びの血が騒いでいた

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無題
この展開は燃える
静かな熱い男COOOOOOL
EVI 2009/05/24(Sun)23:16:33 編集
無題
かっこよすぎる・・!続き読みたい・・><
ぽぽ 2009/05/24(Sun)23:23:22 編集
無題
これはいいスパイアクション…!
ドジっ子属性が発動しないことをお祈りしますw
MiU 2009/05/24(Sun)23:53:00 編集
無題
冷静沈着な彼が垣間見せる熱さがたまりませんね…!
これは続きも気になるところです…
おとわ 2009/05/25(Mon)00:00:29 編集
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