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“それ”はオメガにとって、敵だった。
だが―オメガ自身は忌み嫌っていたとしても―同じ、Dr.エッグマンより作り出されたモノ同士…どこかでシンパシーを感じるのは仕方がなかったかもしれない。
『コイツを頼む』
オメガの仲間であるシャドウは、“それ”をオメガに預けた。
過度の改造、無理矢理な力の制御…全ての戦いが終わった後、“それ”が完全に機能停止してしまうのは、当然の事だろう。
シャドウとは今回の事件で行動を共にしていただけだったが、シャドウの考えはオメガも十分に理解している。
だからこそ、Dr.エッグマンが放棄した基地で“それ”の修繕を行っているのだ。
「私はマダ、別レの挨拶ヲした覚えはナイぞ?」
オメガはまだ目覚めない“それ”に対して、そう言葉を投げかけた。
敵であったハズの存在に、そんな事を言うとは、オメガ自身も驚いたが、再起動してからの経験がそうさせるのだろうと思った。
人間的に言えば、これは“友情”と言うのだろうか?
そんなものが機械―しかも、ただ破壊する事だけを目的としたマシーンに存在するとは。
「奇妙ナものダナ」
オメガは、そう思っていた。
機械の自分が人間と同じような思考を持ちえるのは間違いなく、高性能AIの影響だろう。
しかし、エッグマンは、何故、人間のような思考を持ちえる高性能AIを自分たちに搭載したのだろうかと言う疑問も湧く。
考えてみれば、人間と思考を持てば、反乱や裏切りの可能性が増大する。
目の前の“それ”はもちろん、自分を含めた過去のEナンバーでも、エッグマンをマスターと認識せず、行動するものも存在した。
高性能AIを搭載している機体で、エッグマンは裏切らなくとも、エッグマンに従順な態度を取るロボは少ない。
エッグマンは天才ではあるが、どこは抜けている。だが、過去の失敗を鑑みない人間でもあるまい。
そう思えば思うほど、不思議なものだった。
もしかしたら、自分たちがそう思える、そう考える事が目的なのかもしれないと、オメガは一つの答えを出しつつあった。
「続きハ…アイツを追い詰めた時ニでも聞けバいい」
オメガはそう呟く。もう少し、考察してもいいが、もう、目の前の“それ”が目覚めつつあるのだ。
『ガゴン』と大きな音と同時に、“それ”が納められたカプセルが開く。
「…メタルソニック、目覚メの気分ハどうダ?」
「…随分と人間くさい事を言うものだな…」
目覚めた“それ”、メタルソニックの言葉にオメガは少しだけ、満足した。

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