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ちょこっとグロ。
苦手なひとはちゅうい。


ぐ、と力を込めれば燐光が暗藍の体に纏わりついた。
にやりと笑みを浮かべる相手は、普段の面影など一欠片も無い。

「なんだ?この程度で、俺が止められるとでも?」

暗藍の緑柱石の瞳が見開かれる。パァン、と軽快な音がし、纏わりついていた燐光が爆ぜた。

「なっ…!?」

驚きで目を白黒させる白のことなど御構い無しに暗藍の拳が白の腹へとめりこんだ。
めり、と骨の軋んだ音と共に、白の口から紅が流れる。

「っ…!」
「本気だせよ?それとも、俺じゃ役不足ってか?」

ニヤニヤと嗤う相手をギッと睨みつけ、転がっている宝石を手に取った。
輝きを取り戻したエメラルドからの加護を受けて、白の肢体が薄金に染まっていく。



「ソニック…アンタには悪いけど、これ以上そのままにしておけない」

薄金が手を前方に翳せば、大きく円状に魔方陣のようなものが形成された。
枠をどんどんと広げていくそれは重力に逆らって暗藍を捕らえる。

さながら、蜘蛛の巣に絡まった蝶のように。

「く……」

力をもってしても己の腕すら動かすことはままならなかった。
空中に縫いとめられ、ただ薄金を睨みつけることしか出来ずにいる。

「………なぁ、ソニック」

永い沈黙の後、ポツリと薄金が言葉を漏らした。

「…んだよ?」

笑みは崩さずに薄金の黄金色の瞳を見遣る。
その内側には己の緑柱石が濡れて輝いていた。
潤んで見えるのは、どうしてだかは解らない。

「戻って…くれないのか?」
「戻るも何も…俺は俺だぜ?他の何者でもないさ」

真珠を浮かべていた金色に、どこか強い意志が孕んた。
想いはそのまま強さへと変わる。そう教えてくれたのは彼自身だった筈なのに。

「アンタが、オレの知るソニックに戻らないんだったら」
「戻らないんだったら?」
「…………」












その先は聞こえなかった。
燐光と同じ薄緑の円陣がぐにゃりと歪んでいった。
みしみしと、骨が軋んでいく。
内臓が内側から握りつぶされている気分を味わう。
カルシウムの凝縮された体の中では最上の強度を誇るそれが
骨格として有り得ない方向へと曲がっていく。
ぽき、ぼき、と小気味良い音。
びちゃ、と地面に滴るのは綺麗な緋色と、
どす黒く染まった袋や柔らかそうなチューブだった。
地面が、液体を吸って黒く染まっていく。













遺されたのは 紅。
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