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○月×日
今日はとっても嬉しいことがあったわ! 多分生まれてから最高の一日よ!
私がベッドから起きれるくらいまで良くなったとき、おじいさまが一匹のハリネズミを連れてこられたの。
赤毛の混じった、黒いハリネズミだったわ。名前はシャドウ。15歳ですって。
私をじっと見て、「こんにちは」って挨拶したのは、お人形みたいでとてもかわいらしかった。
体は成長しているけれど、心はまだ赤ちゃんのようなものだから、いろいろ教えてあげなさい って、おじいさまがおっしゃっていたわ。
うふふ、少し先に生まれた私はシャドウのお姉ちゃんね。
これからよろしくね、シャドウ。
○月×日
今日はシャドウにアークの中を案内してあげたわ。
先生からはベッドからでてはいけませんって言われてたけれど、
シャドウのお姉さんだもの、このくらいへっちゃらよ。
私のお気に入りの場所は、シャドウも気に入ったみたいだった。
私の大好きな地球が見れるばしょだもの。今日もとってもきれいだった。嬉しいわ、また来ましょうね。
○月×日
また新しいお薬を増やした。
お医者の先生は申し訳なさそうだったけれど、私の体を治すためには仕方ないわ。
○月×日
研究員の人たちに貰った花の種をまく。
土はないので、シャーレの上。小さいけれど、かわいい花が咲くんですって。
はやく病気がなおりますように って、ベッドのそばにおいておいた。
できたらシャドウに見せてあげるわね。
○月×日
シャドウはすごいわ。もう難しい単語が読めるようになってるのよ。
私は薄い絵本を読むのでさえ、もっとかかったのに。
シャドウは天才ね! おじいさまみたいな学者になれるんじゃないかしら。
○月×日
シャドウの知識がなぜ増えたのか分かったわ。
こっそり夜中に研究室で勉強をしているみたい。ずるいわ、なんで教えてくれなかったのかしら。
ビデオを見たり、跳んだり走ったり、検査したりしている と言っていたわ。
とても楽しそうね。私もシャドウみたいに体が丈夫だったらいいのにな。
○月×日
シャドウの様子がなんだかおかしい。
とても疲れているみたいだったけど、それを言ったら
シャドウに「マリアは心配しなくていい、それよりは自分の心配をしてくれ」って、髪を優しく撫でられて、笑ってごまかされた。
私には分からないけれど、体を大事にしてほしいわ。
○月×日
今日はお客さんがたくさん来たみたい。知らない人が何人かいたわ。
おじいさまがとても難しい顔をしてらっしゃった。
シャドウの疲れもだんだん酷くなってきてているみたい。
とてもお話できるような雰囲気ではなかったわ。少しさびしい。
○月×日
今朝はちょっと調子が良かったから、こっそり研究室を覗いてみたの。
私、ちょっと信じられないものを見てしまった気がする。
シャドウが、テレビの画面に向かって銃を使っていたわ。
人が襲って来るのを、ただひたすら撃ち続けていたの。とても慣れていて、初めて使ったとは思えなかった。
シャドウ、あなた、こんな勉強をしていたの?
○月×日
少し間があいてしまった。
ちょっと咳がひどい。でもシャドウがときどきお見舞いに来てくれるからへいきよ。
またしばらく治すのに時間がかかるかもしれないけれど、待っててね。
元気になったら、また展望台に行きましょう?
○月×日
今日はちょっと早起きしたの。まだベッドからはでられないけれど。
外がなんだか騒がしい。
ノックの音がする。
はい、い ま