[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
出会いはいつも突然であると聞く。確かに彼女と出会ったときも突然だった。
戦いに身を投じているときに初めて会った筈の彼女は、なぜか僕のことを知っていた。
そんなことをふと、思い出す。
「あなたは覚えていないと思うけどね。あたし、最初間違えてあなたに抱きついちゃったのよ」
ソニックと似ていたから間違えちゃって、と笑う彼女に、少々季節の早い麦藁帽子は良く似合っていた。
「抱きついた?・・・僕にか」
「ええ、びっくりしたわよ。最初見たときは本当にそっくりでわからなかったもの」
からん。熱さで溶けたアイスティーの氷が崩れて音を立てた。
「・・・何故、僕と彼は似ていると思う?」
「え?・・・うーん、何でかしらね?血が繋がってるとは思えないし」
少し日が陰る。真夏日に雲は重要な役割を果たす。
「でも、似ているおかげで君は真っ先に僕のことを覚えたわけだ」
「そうね、あれは忘れられないわよ」
生温い微風。一足早い夏、今日は一段とアイスコーヒーが美味しく感じる。
「で、今こうやってあなたとばったり出会って話し込んでいるのも突然の出来事だったわけよね」
「そう、だな」
何処からこんな話に派生したのだったか。
・・・ああ、こんなところで出会うなんて偶然ね、と言う彼女の一言からだ。
女のお喋りはすぐ転々とするが、楽しそうに話されたなら飽きるものではない。
「・・・あれ?何の話してたんだっけ?」
「こんなところで会うとは奇遇だな、と」
「ああ、そうね!シャドウはどうしてこの町に?」
「GUNの諸用だったのだが、もう済んだ」
「あたし、これから買い物の続きに行こうかなって。シャドウ、良かったら付き合ってくれない?」
・・・突然の出会いも、悪くはない。