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全てを無に帰すかのような威圧感に、シルバーは不覚にも萎縮した。
空の色を映すあの青は一滴の闇を綯い交ぜにするだけで、こんなにも歪んでしまうのだろうか?

「ソニック……おまえ、どうしたんだ…?」

音速を誇るその足に空気が切り裂かれる。ソニックの脚に押し出された透明な体積は真空の刃となってシルバーの頬を掠った。
チリ、とした痛みを感じ、頬に手を当てれば真白の手袋は真紅へと染まっていた。

「Ha、やる気ねぇのか?
お前、死ぬぜ?」

普段の軽口を叩いているように見えるが、その瞳は雄弁にその言葉が本気で発されていることを告げている。それに、普段の彼では死ぬ、などと簡単に口にはしない。
何とかして彼を止めなければならないことだけは、本能的に理解していた。
それなのに、この雰囲気に気圧される。
見たこともない彼の様子に、全てをもっていかれそうになる。

「ソニック、見損なったぞ!お前がそんな奴だったなんて」
「俺は俺だぜ?好きにやって何が悪い」

瞳を逸らしたくなる衝動に駆られながらも、真っ直ぐに相手の視線と交差させる。
紅くなった手袋が、淡いエメラルドの光を放つ。




例え本当に俺が死んでしまうとしても、
死んで彼が戻るのなら構わない。
風の化身の遍く者の希望である彼に、
何としてでも元に戻さなければ。


2008.8.19 otowa.s


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