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珍しいことこの上ない上に失敗した感ひしひし。

あの墜落の時に、ほんの少しだけ、覚えていることがある。
指先がほんの僅か、触れるか触れないかのその瞬間、
暗くなっていく視界の向こうに、泣きそうな表情を浮かべていた彼のこと。

「……ソニック」
「ん? どうしたんだ?」

名前を呼べば、屈託なく笑いを浮かべるソニックの顔に陰りなど見当たらない。
それは今現在僕がここにいて、彼もここにいるという事実が織りなすことなのかもしれない。

「…………もし、僕があの時に君の手を取っていたら」
「そんな話はやめようぜ。もし、なんて今更変えられるわけでもない」

言葉を遮られてしまえばそれ以上を言うこともできずに沈黙が室内を満たしていく。
やはり聞くべきではなかったと謝罪の言葉を唇に載せようとした瞬間、

「もしそんなことがあったら、今度は逃がしてなんてやらないからな」

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