忍者ブログ
新しいカテゴリーに名前を登録後、自分の作品投稿の際にカテゴリーをつけてください。 題名には、キャラとお題も入れてください。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 

 
 
殴ろうと振り被った腕をあっさりとかわされる。近寄ろうと踏み込む自分を無視して彼は更に遠くへと飛ぶ。逃げる気かと叫べば、ああそうさ俺は卑怯だからと嗤った。その身は本来の青から深く深く色を変え、海底のように暗い。手にしたエメラルドを、指に食い込むほど強く握り締める。意志の力が自分を輝かせ、彼を呼び戻すことを願った。
空を駆ける相手を追ってビルの間を飛ぶ。見下ろす街は廃墟になりつつあった。この地に再び人が暮らせるようになるまでどれくらい掛かるだろう。否、そんなことを考えても意味はない。このまま行けば国どころか世界が崩壊する。
たった一人の、嘗ての英雄によって。
 
 
 
誰もが英雄は無条件に全てを救ってくれるものだと信じていた。
見返りなど求めず、何を言われても正義を守り抜く。
それでこそ英雄であると称えながら、己の怠慢さえも押し付けた。
 
(何があろうと、どうせ彼が助けてくれる!)
 
誰もその心を慮らなかった。
だから“長年の友人を失った悲しみ”ぐらいで、彼が崩壊するとは考えもしなかった。
英雄ならそれすら乗り越えていくだろうと勝手に彼を奉り。
そうして今、裏切られたと騒いでいる。
 
彼らが見ていたのは、英雄と言う名の偶像だった。
最早其処に彼はいなかった。
 
 
 
「俺はただの針鼠に戻るんだ。仲間が死んで悲しくって我侭を言って世界を呪う、俗な針鼠に」
人気の無くなった街中に、彼の笑い声が反響する。瞳は凍てついた氷のようだ。風がひどく冷たい。
「守るものが無いんだ、シャドウ」
だからもう、壊してもいいんだ。
 
 
 
呟いた声が悲しみであったことを、誰が否定できただろう。
 
 
 

 
2009.8.27
PR


それは本当にあるという・・・

「呪われたサイトだぁ?そんなモノあるわけないじゃん!」
「そー思うんだったら見てみろって・・・オレもう怖くて仕方ないんだよ・・・」

珍しく気弱にソニックが言うものだから、仕方なくシルバーもそのサイトを見た。
見れば、まあ怖そうなデザインではあるが珍しくもない怪談小説の投稿サイト。創作にビビったのか?
シルバーは愉快そうにほくそ笑んだ。

シルバーはお化けは平気だ。だけど「なんかよく分からないモノ」が苦手だ。
お化けじゃないのかとか言わない。お化けはお化けってちゃんと分かってるんだ。
だから、怪談小説はゾクゾクするけど、怖くなんかない。うん、怖いなんて事ない。ツクリモノなんだから。

「この小説がさ、何もなくってさ・・・」

ページを開く。見れば、本当に何もない。・・・・製作者のミスか?

「それで怖いってのか?ソニックは臆病者だなぁ」

そう言ってシルバーが「戻る」の独特なアイコンをクリックした。途端。

パソコンを埋め尽くす、奇怪な映像と声。異常な姿の化け物の絵。
呪いの雄叫びを上げるそれに、シルバーは絶叫して・・・・意識を失った。
困った事に、意識を失ってもその化け物がシルバーを追いかけまわしてきた。最悪だ。


「・・・・あらら」

気絶までするか?流石に。
ソニックがブラウザを閉じた。映像と音は一瞬で消え去った。
この小説サイトには色々と「怖い」仕掛けが沢山施されているので、最近ネットで有名だったのだ。
それでからかおうと思ったのだが、ここまで効くとは。

「まあ、アレだよな。結局は生きた人間のする事が一番おっかないって事か」

起きたら、そうだな。少し励ましてやろうか。


そのサイトは、本当に何処かにあるという・・・
煩い音を塞げば、後は恐怖を感じるだけ。
隠します


ちょこっと大人向け(に、なってない)

でも気恥ずかしいので隠しますー




4e210b37.jpg























いや、明らかに食われてるよね これ。orz


「ブレイズさん、とってもきれいな音が聞こえマス」

 大きな耳を高く立て、草原を渡る風を聞くウサギの少女。
 夕景の終わりに薄い月が飾られ、歩む先には小さな村明りがある。

「確か、今は祭りの季節だな。収穫を祝って賑やかになる」
「そうなんですか?」

 暗くなる道が不安なのか、彼女が私の手を握る。その反対側の手には、親友のチャオを抱いて。
 村に近づくにつれ、楽しげな喧騒が届くようになる。
 アコーディオンの伴奏に大地の豊穣を喜ぶ祈りの歌声。旅芸人の曲芸への拍手。

「遊んでいくか、クリーム」
「ハイです! でも、少しだけ待ってください」

 村への入り口まで来て、彼女は祭りの広場とは別の方向へ歩き出す。
 嬉しそうにチャオの手を離すと、彼女の親友は不思議な声で歌い出す。

 やがて、喧騒とは別の音が耳にも届くようになる。
 滝だ。
 轟々と落ちる水音に、チャオがはしゃぐ。

「わかりました! この音だったんですね!」

 私にはよく解らなかった。けれど、景色は次第に変わる。
 季節を忘れた夜光虫が、ひとつ、またひとつ、現れて消えて、重なり合ってまた輝く。
 幻想とはこういう景色のことを言うのだろう。

「クリームには音が聞こえているのだな」
「ハイ! ブレイズさんは聞こえませんか?」
「どんな音がする?」

 見つめる景色が輝きを増してゆく。
 その光は、まるで。

「ダイスキなひとの音です」

 じっと聞いていれば、私にもその音が聞こえるだろうか。
 

<< 前のページ  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11]  [12]  [13]  [14]  [15次のページ >>
最新コメント
[10/15 章屋]
[10/09 恵梨香]
[08/20 なる]
[08/04 ゴチ]
[08/04 ゴチ]
ブログ内検索
フリーエリア
バーコード
忍者ブログ [PR]

Template by テンプレート@忍者ブログ