忍者ブログ
新しいカテゴリーに名前を登録後、自分の作品投稿の際にカテゴリーをつけてください。 題名には、キャラとお題も入れてください。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「ふふっ…カオスエメラルド、いただきっ」


この都市最大の博物館に、ルージュの姿はあった。
わざわざルージュが博物館に姿を現すのだから、真っ昼間なわけがない。

闇色を身に纏い、赤外線を潜り抜け、ルージュはケースに飾られたカオスエメラルドの前にいた。

ここにエメラルドが入館したことは1週間ほど前から知っていた。
潜入までに時間を掛けたのだ、手筈は完璧。

すっ、とケースをなぞる。
と、ケースにいきなりぱしぃんと音とヒビが。
見れば、綺麗に突き刺さった手裏剣。


「えっ?」
「…やはりな」
「っ、誰っ!」


不意に降りかかった声に振り向くと、天窓からの光に影を落とす影。


「…久しぶりだ、と言った方が良いのか?ルージュ殿」
「…アンタ、確か…」


思い出した。
エスピオ・ザ・カメレオン。
カオティクス探偵団のひとり。

メタルソニックの件、ブラックアームズの件、お互いに会話は無くとも共に同じ敵に闘った、言わば同志。


「…油断したわ」
「ここに飾られる1ヶ月の間、エメラルド周辺の夜の警護を依頼されているのだ」
「ふふっ…私が気付かなかったなんて、流石に忍者は違うわね」
「…元々は同じ敵に闘った同志、今すぐ立ち去るなら…」
「まさかぁ。この世のお宝はみぃーんな!あたしのものよ」


この大怪盗ルージュ様が、お宝を目前にすたこらと逃げ去ると思うの?


「ならば…御免」
「っ!」


手裏剣が飛ぶ。
跳んで避けるとクナイが飛んできた。
速い。



「きゃ…!」


ピッと、二の腕のスーツを皮膚ごと切り裂いた。
皮膚が切れたのは薄いが、ぴりりと痛んだ。


「…なかなかやるじゃない」




ジリリリリリリリリリ!




「なっ、」
「センサーに触れたな。直に警備員も駆けつけてくるだろう」
「~っ、…やってくれるじゃないの」


この場は立ち去った方が無難だろう。
侵入してきた天窓へと飛ぶ。

何故かエスピオは追撃しようとしなかった。


「…ちょっとアンタ、あたしをみすみす逃がす気?」
「2度目は無いと思った方がいい」
「…もう一度、」
「?」


「もう一度、あたしを邪魔してご覧なさい。遊んであげるわ」


悔しい。
ああ、悔しい。

あの力強い瞳が、誰かに似てるだなんて一瞬でも感じてしまったから油断した。
今度は失敗してなるものか。


もう一度会ったら、そのときは…。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
最新コメント
[10/15 章屋]
[10/09 恵梨香]
[08/20 なる]
[08/04 ゴチ]
[08/04 ゴチ]
ブログ内検索
フリーエリア
バーコード
忍者ブログ [PR]

Template by テンプレート@忍者ブログ