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「こ、こうか…?」


すってんべしゃん。


「痛ってえー!」
「はあ…だからさっきからバランスが取れていないのだと何回も言っているというのに」
「ててて…嬢ちゃんは手厳しいねぇ、これにコツは無いのかいコツは」
「慣れだ。重力を操るレースなのだから、習うより慣れろ、だな」
「おいおい…」


この世界で何度か開かれているレースに、この度カオティクスが参加したいと申し出てきた。
まるっきり初心者の彼らに手ほどきをすることになったのは、エスピオにナックルズ、チャーミーにテイルス、そして…。


「何故私が…?」


だが、ソニックに極上のウィンク付きで「任せたぜ、ブレイズ!」なんて言われてしまえば断れるわけもなく。
かく言うソニックはジェットとかいう男に喧嘩を売られ出て行った。レースでも争うというのに、あの鳥男も何度も飽きないものだ。


「じ、嬢ちゃん嬢ちゃん!」
「む?」
「ほらっ見てみろ!俺様もとうとう乗れたぜ!」


どうにかバランスを掴んできたのか、フラフラながらボードに乗り宙に浮く彼が目に入った。


「…ようやくか」
「俺様だってやればデキるオトコだぜっ」
「そこから前進してみろ」
「うっ…こ、
こうか?」


フラフラフラ…。


「…まあ、人間の子どもにとっての自転車のようだな」
「これであんな猛スピード出して重力操るわけだろ…?」
「お前は体が大きいからどうしても最初が難しいのだろう。とにかく慣れればああやって疾走れる」
「あのストームとかいう奴、俺様と同じくらいデカいのに随分上手いよなぁ」
「あのバビロン盗賊団のひとりだからな。ちなみにお前のひとつ下らしいぞ」
「何ぃ!?くっそー、負けてらんねぇなこりゃあ」




「おーい、ベクター!」
「む?」
「お、チャーミーにエスピオじゃねぇか」



しばらくすると、他の2人がボードに乗って現れた。もう乗りこなしているようだ。


「ねーねー!ボク達もうこんなに乗れるんだよー!」
「お主は苦労してるようだな、ベクター」
「仕方ないだろ、巨体には難しいんだよっ」
「…筋は良いぞ。慣れれば乗りこなせる」
「ほ、ホントかい嬢ちゃん?」
「私は嘘など言わぬ」


ようやくブレイズはベクターに向かって初めて微笑みを見せた。
それがベクターの自信を増大させたらしい。


「よっしゃー!もっと練習して絶対レースで優勝してやるぜ!」
「頑張れベクターっ」
「あとは拙者たちと練習しよう。ブレイズ殿、世話になった」
「…気にするな、レースで会おう」


そしてカオティクス3人はボードに乗って去っていった。
ベクターも、先ほどよりはしっかりとしたバランスで。


「…これは…レースが楽しみだな」


くすりと笑みをひとつ。
くるりと踵を返し、ブレイズも反対方向へ立ち去っていった。
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