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クラブ・ルージュの艶やかで煌びやかな内装に、彼女は余りにも似合ってなかった。彼女の子孫であるという堅物なハリモグラがこの状況を見はなら、連れ込んだのか! だとか、失礼なことを言われそうだ。ルージュはグラスを片手に想像の中のハリモグラに対して、ため息をついた。
「……すみません、無理を言ってしまって」
「いーのよ、気にしなくて。アタシがオッケーしたんだから。それに今のは、あんたに対してじゃないわ」
そうですか、と納得しきれない顔を浮かべながら、ティカルは目線を元に戻した。彼女が真剣な目で眺めているのは、映像と音を吐き出し続ける箱、テレビだった。内容は情報を伝えることだけに特化した、面白味のないニュース報道。
ルージュはニュースには意識を向けず、グラスを傾けながら宙を見る。テレビから放たれている情報には、ルージュの興味を惹くものが無かった。やはり目ぼしい情報は、待っていても入ってこないものなのだろう。ならば自分から動いてみようか、例えばあの巨大なエメラルドをもう一度狙ってみるとか。
「ルージュさん、これは?」
「えーとねぇ、それは――」
ティカルが分からないことについて質問する、それをルージュが説明する。それは今まで何度か繰り返したやり取りだった。カオスと共に残った意識だけの少女は、この時代のことをもっと知りたいのだという。しかしそれは独学では難しく、協力者はどうしても必要だった。彼女は辞書に触れられない。
そんなティカルの前に現れ、協力を申し出てくれたのがルージュだった。気だるげな、あくまで何かのついでのような言いようだったが、その内容は彼女の全面的なバックアップだった。ティカルはルージュに感謝しているが、疑問はある。
「どうして、助けてくれるんですか?」
「そーねぇ……恩返しみたいなものよ」
ルージュの目は、積極的に何かを楽しもうとする光があった。
「アタシもあんたの子孫に、この世界について教えて貰ったの。今まで知らなかった、別の見方をね」
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