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ソニシャ 後ろから

畳むマス

ソニシャ 後ろから



奴は後ろから、が好きらしい。
後ろから声を掛ける、後ろからちょっかいを出す、後ろから蹴って来る(これも僕をからかうためだ)、おかげで僕の背中には目が付いた。
「ソニック、今は本を読んでいるのだが」
「何でばれたし!」
「いい加減に僕も慣れた」
後ろで彼が残念そうな表情をしているのは手に取るように分かる。
奴ももういい加減に大人に…

「読みは甘いみたいだけどな?」
突然目の前が真っ暗に。何事かと思えば、目隠しをされたらしい。
「ゲームしようぜ、シャドウ。ああ、今の本には紐の栞挟んでおいたから安心しろよ」
…こういう突然の持ち掛けも、もう慣れ…たくはないが、慣れた。

そして、こういう気紛れなゲームは、絶対に勝たせてくれないのが仕様だ。

「逆境具合がクールだろ?まだまだ寝れないね!」



奴は後ろから、が好きらしい。
頭の針が随分と邪魔ではなかろうか、とも思うのだが、好きに引っ張っては自由なことを言ってくれる。
耳に掛かる声は、まあ、嫌いではない。
目隠しは外してくれない。すぐに目を背ける僕の顎を掴む事も、今日はない。

依然僕に間違いをインポートする。
間違ってなんかないさ、と洗脳するコードを囁かれる。
目も眩むような感覚が絶えず流れ込む。

「そ、にっ…ぁ、目…はずし、」
「更に目が覚めるぜ?」
案外すぐに外してはくれたが、勢いを増して追い立てられて見開く目に彼は映っていない。
思わず彼の手を握って。振り返って視線を捕らえた。

「…まだ見えないか…?僕の、目が」
見開いた彼の目を、捉えた。
今度は、僕が逃がさない番だ。





※BGMがチルドレンレコードだった。
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