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遠くから来たというその旅人は、大きな身体に華奢な杖を持ち、いつの間にか城下町に住み着いていた。
マイペースに魚をとっては生活の糧にしているらしい。
「なあ、ビッグ、せっかくそれだけの身体してんだし、お前も騎士とかなったらどうだ?」
小柄なガラハッドにとって、自分の二倍ほどもある身体を持っているビッグの巨体は、羨ましい限りだ。
魔法の力はガラハッドの方がもちろん上だろうが、もしも魔法の使えない場所や、封印の魔法で力が使えなくなったとした時に、頼れるのは自分の力だけだ。
そんな時に、自分の身体の小ささは、とてつもない不利だった。
同じ大きさでも、力の強いガウェインや、剣技の卓越したランスロットに比べると、
魔法を除いたガラハッドの実力は数段劣ってしまう。
「俺もお前くらい大きな身体だったらなあー!戦うのも楽かもしれないのに!」
「んー……」
大きな身体のビッグという名前の猫は、その言葉に良い反応はせず、ぽりぽりと耳の後ろをかく。
「僕は戦いはきらいー」
「そんな事言うなよ!外には魔物が居たりするんだぞ?強いほうがいいに決まってるじゃないか!」
「んー…でもー…みんなが強くなって戦うばっかりになったらー お魚を取る人がいなくなっちゃうでしょ?お魚取る人がいなくなっちゃったら、騎士さまはご飯を食べるのが大変じゃないー。僕は騎士様にご飯取ってくるほうがいいんだよー」
ニコニコと平和そうに笑うビッグの笑顔は眩しいほどで。ガラハッドは何も言い返すことができなくなってしまった。
兵士ばかりが増えた国に、未来はない。その兵士を支える人も、その支えてくれる人を守る兵士も、
そのお互いがいるからこそ国という形が保てるのだ。
ガラハッドが騎士として立つには、今もう少し時間が必要なようだ。
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