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トルネードの整備を終えて顔を上げると、ソニックが居た。あれ、どうしてここに居るの? と尋ねかけて、やめる。自由気ままなソニックの事だ。越えたかったからとか、そんな理由で時空を超えてきたに違いない。過去の時代のソニックは、トルネードの上からボクのことをじっと見ている。

「整備も終わったし、これから飛ぼうと思うんだけど」

そう言うとソニックは羽の上に飛び移った。ついてくるつもりらしい。テストを兼ねているから一人で飛ぼうと思ったんだけど、わざわざ時間を越えて来てくれたんだ、このぐらいのサービスはしないとね。

「ちょっと荒れるかもしれないよ……!」

そして、その日のフライトは今まで類を見ないほど、スリル満点のものとなった。海の上で目一杯叫びながら飛んで、なんとか元の場所に戻ってきたときには、冷や汗と動機でどうにかなったかと。気が抜けて、息を吐きながら操縦席に倒れ込んだボクの上に、何か甘い香りのするものが降ってきた。ゆっくり起き上がって確かめると、色鮮やかな花びら。目線だけ上にあげると、ソニックは満足げな顔でボクを見ていた。その表情で、この花びらの意味が分かる。楽しかったなら、よかったけどさ。
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