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お題:シルバー 首をくくる



乱暴に床に叩きつけられる。白銀の肢体には痛ましい紅が多く滲み、息も絶え絶えだ。
痛む腕を支えに体を起こそうとすると、天に延びた棘を掴んで引き摺り倒された。
「ぐ、ぁ・・・ッ!」
「シルバー、またボクとの約束を守らなかったんだね。一体これで何度目だろうね?」
屈んで顔を寄せる闇と、引き寄せられ苦痛に顔を歪める銀と、真っ暗な部屋。
銀は最近陽の目を見れていない。あの約束が、見えない足枷だ。
「ボクに誓ってくれたじゃないか。ずっとボクの傍にいる、ボクの支えになる、って。
新しい世界で、イブリースを失ったボクが生き永らえる為に。言い出したのは・・・君だったよね?」
怒り、哀しみ、憎しみ。約束を不意にされた子供の様な、想い人を自ら殺してでも手に入れようとするような、そんな狂気が入り混じった、冷たい瞳。
「なのに、酷いよ。ボクを置いて外に行くなんて」
「だ、って、ブレイズが・・・心配、してるから・・・」
「他人なんて関係ないじゃないか。君はイブリースの代わり、つまりボクの半身も同じ。半身同士、ずうっと一緒。それでいいじゃないか・・・」
シルバーは、イブリースをなくして塞ぎ込んでいたメフィレスに救いの手を差し伸べたつもりだった。
だが、どうして警戒をしていなかったのだろう?
イブリースをなくしたメフィレスの抑止役なんて、きっと誰にも務まらないのに。
「もう、勝手な行動はしないでくれるよね?」
「し、ない、から・・・今度は、ちゃんとお前にも言うから・・・」
「嘘。またそうやって言って、破るんでしょう。君は酷いよ。上手に騙してくれさえしない」
じゃら、金属質な音が暗く響く。訳も分からぬ内に、首に巻かれるそれ。
身体の自由が利かないシルバーには、どうしようもなく。
「やっぱり・・・ボクが面倒を見なくちゃ、駄目みたいだね」
よく似合っているよ、と目を細める。革で出来た紅い首輪と、繋がる鉄の鎖。
「次に、約束を破ったら・・・天井に吊るしてお留守番、だね」
「・・・何処に、行くんだよ・・・」
「君が外に出る理由を潰しに行くのさ?理由があるからボクが悲しい思いをするんだろう?」
闇が鎖を持って立ち上がる。首を引っ張られて咳き込みながら立ち上がる白い足はふらふらだった。
「君にはそろそろ、腹を括って貰わなきゃあ。一緒に首もね。そのくらい預かっておかなきゃ、君はまた・・・」

お前は、誰の瞳を覗いているんだ?
俺はどう頑張っても、半身には成れっこないのに。
諦めたように、銀は視界を閉じた。





CPにして、首くくらせて・・・クリアできてるのかこれは・・・
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無題
腹も首も・・・なんて、素敵な言い回し。
シルバーの諦観が切ないです。
あくと 2010/09/02(Thu)23:56:47 編集
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