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最初に出会った時から、こうなる事だろうと何となく感じていた。
今、俺の目の前には、俺とそっくりなアイツが立っている。
あのエミーですら、俺とアイツを何度も勘違いしているほどだから、本当にそっくりなんだろう。
世界には三人ほど自分とそっくりなヤツが居ると言われているが、アイツは、俺と同じ能力だ。
俺が出来る事ならアイツも大体は出来るし、俺もあいつが出来る事なら大体、出来る。
そんな俺とアイツが戦う理由は特にない。
それなのになんで?と言われるかもしれないが、強いてあげるなら、俺とアイツが似ているからなのかもしれない。
憎いって訳じゃないから、同属嫌悪とかじゃないだろうけど。
多分、お互いが何を望んでいるのかが分かるから、こうやって対峙しているんだろうな。
俺はアイツとこうやって、対峙する時、高揚感を感じてしまう。
ひょっとしたら、俺は、この熱く漲る胸の鼓動を感じるために、アイツと戦うのかもしれない。
アイツがどう思っているかは知らないが、俺はそうだと考えている。
最初に出会った時から、こうなる事は運命付けられていたのかもしれない…
僕の目の前には、僕とそっくりな男が構えて立っている。
実際はそんなに似ていないと僕は思っているのだが、よく間違えられる。
やはり、外見もさることながら、似たような能力を持っているからだろうか?
実際のところ、彼が出来る大抵の事は、僕にでもやって見せる事は出来るし、その逆もある。
そんな彼と僕とが戦う理由は特にない。
しかし、彼と僕は戦わなければならない。
恐らくそれは、彼が僕と似ているからなのかもしれない。
僕の出来る事を、同じように軽々とやって見せる相手なのだから、僕の本気を受け止められるかもしれない。
そう思うと、胸の鼓動が熱く漲る。
もしかしたら僕は、この鼓動を感じるために、彼と戦うのかもしれない。
彼がどう考えているのかは分からないが、少なくとも僕はそう思っている。
風は揺れて、命をも揺らす。
熱き鼓動の果てに、彼らは何を見るのだろうか…?