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彼は眠っていた。岩に突き刺され封印されていた。持ち主が現れるのをひたすらにまっていた。永い永い間ただただ待つばかりであった。眠っていたけれど外の様子はよくわかった。雨が自分の身体を打ち付ける冷たさも、動物が自分のまわりを跳ね回る様子も、雪が自分の冷たい刀身を一層に冷たくするのも、分かった。そして何人もの猛者が我こそは王にならんと自分に挑戦するのも分かった。しかし大概諦めて去っていく。彼は、カリバーンはそういう身の程しらずが落胆するのを見て、お前に王の資格がある訳無かろう、たわけが、うつけが!と馬鹿にするくらいしか、楽しみがなかった。
やがて、誰も自分に挑戦しなくなった。ささやかな楽しみすら奪われてもカリバーンは一向に気にしなかった。自分は大聖剣であり、時がくれば必ず誰かがものにすると。そう信じていたからだ。刀身が鋭さを無くしていっても、砂が彼に細かな傷を付けても、彼は一向に気にしなかった。
遠くで声がする。彼は久々にうつけが現れたかと、ほくそ笑んだ。大きな手が自分の柄を握り締める。そしていとも容易く封印をといてしまった。彼は永い時を経てようやく目覚めた。驚いたのは確かだが、封印を解かれた事が純粋に嬉しかった。
しかし、自分の封印を解いた、王の資格を持つものは、なんと人間ですらなかった。ハリネズミであった!
それからは酷かった。何しろそのハリネズミときたら、剣の心得すらないまったくのヒヨッコだったのだ。まだそれだけなら私の広い心は平静を保っていられただろう。奴ときたら私を鈍器だとでも勘違いしているのか、ぶんぶん振り回して、剣の腹を当てるわ、壁に突き刺して滑走するわ、私がアドバイスすれば口答えするわ、相当であった。挙句の果てには「ナマクラ!」と罵られた。今まで辛いのを飲み込み待ち続けた私でも流石にきれた。由緒ある私にこともあろうがナマクラだと!!道中口げんかが絶えなかった。私が!!!!といえば奴は!!??!と返す。しかしながら奴の素質は相当なものだったらしく、必殺のソウルサージですら易々とこなすようになった。くそ生意気な。と思う反面嬉しかった。私はやっと剣として、聖剣としての役割を全うできるのだ。
「let's go!いくぜナマクラ!」
「たわけ!ヒヨッコ!」
本当に厄介だ。憎まれ口を叩こうと、どんなにヘラヘラしていようと、真っ直ぐな瞳に王の風格を見てしまう。そう奴こそ私の持ち主、大聖剣エクスカリバーを所持するに相応しい王だということ。よりによって私をナマクラ呼ばわりする奴を、私自身、あらゆる意味で奴を認めざるをえない。それが厄介だ。
やがて、誰も自分に挑戦しなくなった。ささやかな楽しみすら奪われてもカリバーンは一向に気にしなかった。自分は大聖剣であり、時がくれば必ず誰かがものにすると。そう信じていたからだ。刀身が鋭さを無くしていっても、砂が彼に細かな傷を付けても、彼は一向に気にしなかった。
遠くで声がする。彼は久々にうつけが現れたかと、ほくそ笑んだ。大きな手が自分の柄を握り締める。そしていとも容易く封印をといてしまった。彼は永い時を経てようやく目覚めた。驚いたのは確かだが、封印を解かれた事が純粋に嬉しかった。
しかし、自分の封印を解いた、王の資格を持つものは、なんと人間ですらなかった。ハリネズミであった!
それからは酷かった。何しろそのハリネズミときたら、剣の心得すらないまったくのヒヨッコだったのだ。まだそれだけなら私の広い心は平静を保っていられただろう。奴ときたら私を鈍器だとでも勘違いしているのか、ぶんぶん振り回して、剣の腹を当てるわ、壁に突き刺して滑走するわ、私がアドバイスすれば口答えするわ、相当であった。挙句の果てには「ナマクラ!」と罵られた。今まで辛いのを飲み込み待ち続けた私でも流石にきれた。由緒ある私にこともあろうがナマクラだと!!道中口げんかが絶えなかった。私が!!!!といえば奴は!!??!と返す。しかしながら奴の素質は相当なものだったらしく、必殺のソウルサージですら易々とこなすようになった。くそ生意気な。と思う反面嬉しかった。私はやっと剣として、聖剣としての役割を全うできるのだ。
「let's go!いくぜナマクラ!」
「たわけ!ヒヨッコ!」
本当に厄介だ。憎まれ口を叩こうと、どんなにヘラヘラしていようと、真っ直ぐな瞳に王の風格を見てしまう。そう奴こそ私の持ち主、大聖剣エクスカリバーを所持するに相応しい王だということ。よりによって私をナマクラ呼ばわりする奴を、私自身、あらゆる意味で奴を認めざるをえない。それが厄介だ。
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