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知らなかった。
彼の声がここまで甘いものであると。

知らなかった。
自らの力を解放するこの光が、まるで溶け出すチョコレートのように、感覚まで溶かしてしまうことも。

知らなかった。
自分が、彼にここまで堕ちていたとは。




「ソニッ…ああっ」
「シャドウ…」
「やっ、ソニック…っ!ん、ふ」


ぬるりと割り入って絡む舌。
身体のラインをなぞる指。
きらり、と、エメラルドの光が視界に紛れ込む。

自分が何をしてるかはわかっている。が、なんだかふわふわと高揚した気分であることも確かで。
その気持ちは甘く砂糖菓子のよう。

今はひたすら彼が欲しい。


「んっ、んっ!は、ソニック…っ」
「…気持ちい?シャドウ」
「ソニック…何、考えて…っ」
「バトルばかりも、つまらないだろ?」
「んんっ…うあ、…僕たち、は、…勝負を、して…」
「一回お預け」


下半身に舌を這わす。
びくりと震える肢体はきらきらと輝いたまま。
自分も、感覚に飲み込まれていく。


「…甘い、」
「っは…んな、バカな、…こと、」
「甘いんだよ」


病みつきになるお菓子のようだ。
クスリに例えてもいいくらい、虜にされる。

どくりと放たれた白濁を容易く飲み込む。
苦いはずのそれは甘かった。甘く感じた。

そっと抱き寄せて囁いた。


「…いただきます。」

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少女の愛した青い星に引かれるままに、白金の小さな身体が落ちて行くのをがむしゃらに引きとめようとした。
いつも気障に引き結ばれていたくちびるが、何事かをつぶやく。
そんなセリフは聞きたくもない。
僅かにこちらに差し伸べられた手が生きる意思だと信じて、無我夢中で腕を伸ばして掴み取ったはずだったのに。


ドアが開くかすかなモーター音とともに、目を伏せたソニックが部屋に入ってきた。

ソニック!シャドウは…

問いに答える代わりに無言でかぶりを振ると、その手に握り締めていたものを友人の手に押し込む。
輝く金色の腕輪だけが、彼がここにいたことの証となってしまった。

一度は腕を掴んだんだ。
なのに、するりと抜けてしまった。
知らなかった、あいつの腕があんなに細かったなんて。


「お前が幸せに生きられる場所などない」

そう、脳天から言葉を浴びせられた気分だった。

「お前など生まれて来なければよかったのだ」

言葉の針が心に、凍て付く程の痛みでもって燃えさかる。

「シャドウ、お前なんか死んでしまえばいい」

金糸の少女の微笑が、嘲笑へと変わっていた。











「………!!!!」

叫びにならない叫びと共に、勢い良く体を起こした。全身から噴き出したものは冷たく、心と体を冷やしていく。

「シャドウ?どうしたんだ」
「っ……は、な、なんでも、ない」

暫く荒い息を吐き出し、心を落ち着かせようと深く空気を吸い込む。
チラと横目で言葉をかけた本人に視線を遣れば、気遣わしげなエメラルドの瞳にかち合った。

「何でもない訳ないだろ?」
「本当に、なんでも、ない」
「っったく…」

視線を外してただ気持ちを平穏へと向かわせようと目を閉じる。未だちらつく夢の残骸に、また心が抉られそうになった。
と、その時
ふわりと暖かな体温に包まれる。ゆっくりとした鼓動が、どこか彼女の優しげな笑みを思い起こさせる。

「お前は何も悪くない。お前はお前のままでいいんだ、シャドウ」




08 8 19 おとわ


どうしてだか、涙が止まらなかった。
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